#109 早期胃癌(管状腺癌, IIa) (消化器系2 その6)
#109 Early gastric carcinoma, tubular adenocarcinoma, IIa
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解説
バーチャルスライドで全体を見ると、台地状に周囲粘膜より盛り上がった病変である。最初の写真は、粘膜表面から粘膜筋板までの粘膜全層を含んでいる。粘膜のが全体に腫瘍腺管に置き換わっている。これらの腺管は密集しているが、正常の極性を保って、正常腺管と平行に立っている。そして、深部は幽門腺に、表層部は腺窩上皮に分化しているが、表層部では杯細胞のない腸型の腺管(腺管の管腔側の細胞膜が直線的)も多い(2番目の写真)。これらの腺管は間質に対して浸潤しておらず、間質の線維芽細胞の反応も無い。それに対して、粘膜下組織に浸潤した部分(3番目の写真)では、腺管の極性が無くなり、腺管は平行しておらず、様々な方向を向き、かつ間質の修復反応として線維芽細胞の増生がみられることから、間質に浸潤性に攻め入っていることが分かる。
写真左は、やや過形成性の腺窩上皮であるが、非腫瘍性。右が腫瘍組織。明瞭な腺管構造を形成して増殖しているが、腺管の癒合などの構造異型を一部に認める。高分化型の管状腺癌。