#43 早期胃癌(乳頭管状腺癌) (消化器系2 その5)

#43 Early gastric carcinoma (papillotubular adenocarcinoma)

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解説

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まず、バーチャルスライドを見てみよう。この腫瘍はポリープ状に隆起し、組織構成としては、不規則な腺管と乳頭状構造とが混在している。拡大を上げると、構造異型と細胞異型から癌と判断できることがわかる。この腫瘍は粘膜筋板を越えておらず、粘膜内癌である。次に上下の写真を見ると、腺管と乳頭状構造とが互いに移行していることがわかる。同じ構造でも間質が広ければそれが腺管を囲むように見え、間質が狭ければ間質の軸を上皮が包んで乳頭状に見えるのである。同じ視野を見ていても、エッシャーのだまし絵のように、間質を軸と見るか囲みと見るかで乳頭状に見えたり腺管に見えたりもするのである。