#7 肺アスペルギルス症を伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS) (呼吸器系1 その2)
#7 Lung, ARDS with aspergillosis
抗癌剤による化学療法の副作用として免疫能が低下し、日和見感染が起こっている。aspergillusが血管を破壊し(細菌も混合感染して)敗血症の状態。
肺胞壁の傷害を反映して、フィブリンの析出(⇒硝子膜形成)とII型上皮の反応性増生がみられる。
肺の気管支と細気管支の壁の違いをみる。更に、呼吸細気管支とそれに隣接する終末細気管支を確認し、上皮の特徴を比較する。
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解説
ARDSでみられた硝子膜です。フィブリンが主成分なので濃いピンク色をしています。薄いピンク色の肺水腫と比較してください。フィブリノゲンが漏れるくらいだからより低分子の蛋白を含む肺水腫は必ず硝子膜と共存しています。また、出血を伴っているということは、血管外へフィブリノゲンが漏れる以上の肺胞壁障害が起こっていることを示しています。
また、この標本で見られる、以下のそれぞれの特徴的な像について説明できるようにしてください。
(上:クララ細胞、中:呼吸細気管支、下:杯細胞 に注目して撮影しています。)