#187 進行胃癌(印環細胞癌) (消化器系2 その9)

#187 Advanced gastric carcinoma, signet ring cell carcinoma

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解説

解説用画像1
解説用画像2
解説用画像3

3番目の強拡大から見ていこう。下部に小型癌細胞、中から上部に大型の癌細胞(粘液を貯留した印環細胞)がみられる。小型の癌細胞が腺窩上皮に最終分化して増殖しない印環細胞を作っている。これは正常の腺管でやっていることと同じだ。(病変によっては、深部に幽門腺に分化した印環細胞も見られることがあるが、こちらは増殖能を保っているものが含まれている。)この癌は、とても正常に近い増殖・分化のパタン(私たちはこれを「層構造」と名づけた)を取っているおとなしい癌であることがわかる。増殖は正常腺管と同じ腺頸部の高さで行なわれる。2番目の中拡大の写真を見ると、表層の印環細胞に混じって残存腺管の腺窩部が、小型細胞の下に、残存腺管の腺部が見られる。小型細胞は腺窩部と腺部との間、つまり正常腺管の増殖ゾーンである腺頸部のレベルに位置していると考えられる。1番目の弱拡大の写真で、それが直接確認できる。

以上の所見は早期癌(#108)と同じだ。この癌は、しかし、進行癌である。正常に近いおとなしい癌がどうやって進行癌になっているのか、バーチャルスライドで粘膜外の浸潤部も見て考えてみよう。