#12 肺結核 (基本病変1 その5)

#12 Lung, tuberculosis (secondary)

結核で見られる乾酪壊死caseous necrosisは、(Tリンパ球の出すMIFによって金縛りになった)マクロファージの集団(これを類上皮肉芽腫という)の中心部が、酸欠死した虚血性の壊死。この壊死では結核菌のもつ豊富な脂質により、凝固が阻害されたことによる細胞の輪郭の消失を確認する。壊死が強いため、類上皮細胞の層が見にくいが、バーチャルスライドで標本全体を見ると、濃いピンクの乾酪壊死を囲む薄いピンクの帯として見える。そこには、(拡大すると)マクロファージの合体したLanghans型の多核巨細胞が散見される。

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解説

左下は結節性病変部の中拡大、右上は周囲に見られる多核巨細胞の強拡大です。

解説用画像

肺結核による乾酪壊死の像です。多核の巨細胞はラングハンス巨細胞です。

乾酪壊死は結核菌の死骸ではなく、マクロファージの壊死。マクロファージが脂質に富む結核菌の細胞壁骨格cell wall skeletonを多く貪食しているために、虚血で死んでも凝固できず、また処理する細胞が死んでいるので液化した死骸のまま存続する。体温では液状のチーズフォンデュ状、体外に取り出され室温では固形のチーズ状となる。組織標本はこの固形チーズを見ていることになる。写真の左下に示すように、細胞境界が無くなり、どろどろの液状のものが固まったことを示している。