滋賀医科大学 分子診断病理学部門

学部教育の概要

当部門では、病態発生学、腫瘍学等の学部教育を担当しています。<履修学生向け情報はこちら>

病態発生学

“病態発生学(=病理学)”とは、病気の本態、つまり
何が原因で、どのような基本原理が働いて、どのようにして病態が成立したか を探求する学問です。

病理学は見ることから始まります。病理学は、病変の組織を直接見てとらえられる形態の変化を出発点にし、体全体から組織、さらに個々の細胞からDNAに至るまでのさまざまなレベルでの形態的・機能的変化を解析するとともに、それらを総合して疾病の全貌を見ようとする科学です。

また病理学は、医師として一生かけて築き上げて行く、各人の“疾患概念”の中核になるべき知識体系でもあります。
近年、病気に関する情報は飛躍的に増えており、個々の知識は、インターネットや本や雑誌で、誰でもアクセスできるようになってきました。
このような状況の中で、医師が「病気のプロフェッショナル」として生きてゆくために必要なのは、(知識の量ではなく)様々な座標軸を持った「全体像」をつかんでいるかどうか、その「全体像」の中に個々の知識を整理できているかどうか、ということです。

病理学で学ぶ様々な基本概念は、これから蓄積して行く疾病に関する知識を系統的に整理する上で必須の座標軸となります。これは、医師として様々な判断をする際に拠り所となる、きわめて重要な知識です。断片的な知識では、インフォームド・コンセント(説明した上での同意)を得ることが求められる今日の現場では使えません。現代の医師には、これまで以上に、患者さんに対して正しく病気を説明する力が求められています。病気を自分なりに納得の行くレベルまで理解していないと、そして、借り物の言葉でなく自分自身の言葉でないと、患者さんの心に届く説明はできないと思います。このためにも、病気のストーリー(病態)を大きな流れとしてつかむというスタンスで病理学を学んでほしいと思っています。

腫瘍学

腫瘍学は、医学を総合するよいモデルになります。これは、分子生物学的な問題から臨床の現場、そして社会的な問題までを、「腫瘍」という一本の軸の上で考えることができるからです。本学の腫瘍学のプログラムは、腫瘍の生物学から診断までをカバーした基礎的な腫瘍学に重点を置いていますが、治療・ケアを含む臨床腫瘍学を学習する際に支障のないよう、治療や予防に直結する腫瘍の様々な側面についても取り上げています。(腫瘍免疫については、免疫学で扱われます。)そして、その広範な領域から、腫瘍の生物学、病理学と臨床の各側面を具体的に把握することと、それらをすっきりと整理していくことのできる一貫した腫瘍概念を理解することを目標としています。