滋賀医科大学 分子診断病理学部門

部門紹介

活動概要と目標

活動概要

私たちは“滋賀医科大学の理念・使命”に基づき、

  1. 上部消化管腫瘍の発生・進展機構の研究をはじめとする研究
  2. 病理学・腫瘍学などの教育
  3. 病理解剖をはじめとする病理診断

の3つを中心として活動しています。

1. 研究

主に上部消化管腫瘍(食道癌・胃癌)の発生と進展に関する研究を行っています。日本人のがんではいまだに最も罹患率の高い胃癌の自然史(いかにして癌が発生し、どのように進展するか)とその多様性というテーマに関して、免疫組織化学から分子生物学・動物実験と幅広く、様々な角度からアプローチしています。特に、ゲノムや遺伝子発現の腫瘍内多様性を丹念に調べ、そこに至る経過を時間軸に沿って明らかにすることを得意としています。また動物実験では、ヘリコバクター・ピロリ感染スナネズミやラット十二指腸液逆流モデルを用いて、胃癌・バレット食道からの食道腺癌の組織発生について研究しています。(研究活動の概要はこちら)

2. 教育

医学科・看護学科学生を対象に病理学・腫瘍学等の講義・実習を行い、これらを通じて病気の本態を体系的に学ぶ機会を提供しています。この知識体系は、医療従事者として一生かけて育てて行く「病気についての見識」の中核となる重要なものです。講義では、さまざまな疾患について、医学における“常識”から最近のトピックスまで、実際の画像や教員の経験をまじえた説明を通して、教科書だけでは得られない知識を提供し、「正しく病気を説明する力を持つ医療人」の育成を目指しています。
 さらに、研究活動を通じて実践的な大学院教育を行いながら、病理解剖・外科病理の診断について日常的にディスカッションを行い、若手教室員の「病理専門医としての診断力」の育成に努めています。(学部教育の概要はこちら)

3. 診断

病気で亡くなった患者さんの病理解剖を行なうことが診断分野での最も主要な活動です。個々の臓器の所見を総合し、死に至ったストーリーを再構築する過程だけでなく、再構築したストーリーを、実際の経過を知る臨床医と検討することで、研究にも役立つ洞察力の訓練ができます。また、講座では病理専門医の指導の下、主に検査機関からとどけられる検体を、教室員が分担して診断することも行っています。(診断についての詳細はこちら)

私たちの目標

病理学とは、「疾病の原因及び発生過程」、つまり「まず:何が原因で  そして:どのような原理(しくみ)で  結果として:どんな病気が起こるか」を研究する学問(基礎医学)です。医療人として働くためには、膨大な量の医学知識を整理し、正確に運用していくことが必要であり、このためには“病気の本態を知る”病理学を十分に理解しておくことが必須になります。(このような病理学の性質を、私たちは「病理は医学の座標軸」と呼んでいます。) また、病理医は上記のような基礎研究に加え、「患者さんの検体を見て、その形態から病気を診断する」という臨床医でもあります。

私たちは、このような病理学・病理医の特性を踏まえ、上記の3つの活動などを通して、
「研究に軸足をおきながら、堅実な診断もできる、バランスのとれた病理医」を目指しています。