#279 慢性骨髄性白血病 (細胞間遺伝 その3)

#279 Bone marrow, chronic myeloid (myelogenous) leukemia

一面、顆粒球系が優位となった3系統の造血細胞で占められている。2セットの染色体のうち、片方にPh1転座(→優性変異)をもつ腫瘍性造血幹細胞が分化し、正常の形態をした成熟血球になる。顆粒球が優位になるが、患者は腫瘍性の好中球で(正常に)感染防御を行い、腫瘍性の巨核球からできた血小板で止血し、腫瘍性の赤血球で酸素を運搬している。いかに正常とそっくりかを見てほしい。これほど良く分化しているのに、ゲノムが不安定で変化が蓄積するため、そのうち分化できなくなった血球に置き換わり(急性転化)、難冶性のがんの本性が現れる。

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#136 腎芽腫(ウィルムス腫瘍) (細胞間遺伝 その2)

#136 Kidney, nephroblastoma (WILMS)

一部で腫瘍細胞が不完全な尿細管や糸球体を形成している。発生の原基の段階で腫瘍化するので、上皮も間葉も腫瘍である。明らかな上皮(epithelial)成分、明らかな間葉(stromal)成分、上皮とも間葉とも言えない未分化な細胞(blastemal)からなる。腫瘍化したために、正常の形態形成ができないのである。正常の腎組織と比較してみよう。

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#169 網膜芽細胞腫 (細胞間遺伝 その1)

#169 Eye, retinoblastoma

正常の網膜に比べて、核がやや腫大し、核の形も不規則である(核異型)。一部にロゼット構造(Flexner-Wintersteiner rosettes)がみられる以外、規則的な構造を作らず、細胞が一面に増生している(構造異型)。虚血性壊死巣が中心部に多く見られる。個々の壊死細胞はapoptosisと区別ができないが、細胞集団として死んでいるところが壊死である。

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